1942年の名作「カサブランカ」の続きです。
まあ、戦時下に作られた映画はどこかプロパガンダの匂いが感じられますが、「カサブランカ」は薄い方だと言えるでしょう。
何しろラブ・ロマンスですから。
「Here’s looking at you, kid.(君の瞳に乾杯)」
この名セリフはアメリカ映画名セリフ・ベスト100の5位にランクインしています。
映画では度々登場し、ラストシーン、リックとイルザが別れるシーンでも使われていますね。
ちなみにHere’s(to)~は日本語にすると「~に乾杯」となります。
したがって君を見ていることに乾杯、というのが直訳ですね。
それを「君の瞳に~」と訳したのは日本の映画字幕翻訳家、高瀬鎮夫さんです。
ちょっと古めの洋画ファンに取って、清水俊二さんや戸田奈津子さんと並んで、必ず映画の冒頭のクレジットに登場するお馴染みの名前でしょう。
コラム冒頭で紹介した「お楽しみはこれからだ!」、それからベスト100で13位にランクインした「ある愛の詩」の名セリフ、「愛とはけっして後悔しないこと」も翻訳した人物です。
ちなみに「君の瞳に~」の部分を「君の命に~」と訳したNHK放映版では講義が殺到した、というほど「カサブランカ」では代名詞的存在になっています。
日常生活では、というより恋人とどれほど親密であろうと、使えるセリフではありませんが。