ちょっとアメリカ映画名セリフ・ベスト100から離れてしまったので、話を元に戻して。
第1位は1939年に公開された「風と共に去りぬ」でクラーク・ゲーブル演じるレット・バトラーが妻のスカーレット・オハラ(演じるのはヴィヴィアン・リー)に告げる一言。
「Frankly,my dear,I don’t give a damn.」
初公開では「君をけっしてうらんではいないよ」でしたが、あまりに意訳であることから、その後の公開では「俺の知ったことか」に変更されています。
なぜ、この名セリフが第1位であるのか、ちょっと不明ですし、映画を知らない人にはピンとこないはず。
映画は南北戦争に翻弄される主人公、スカーレット・オハラの人生を描いた内容で、当時としては躍動的な女性観であるオハラに、これまた不良紳士のレットが惚れてしまったことから結果的に結婚するのですが、2人の激しい性格がすれ違い、オハラがレットに本気で恋をしていることに気がついた時は、レットがすでに恋に疲れ果てていて別れようと決心した時に、このセリフを言うわけですね。
確かに「俺の知ったことか」というより「君をうらんでいないよ」と言った方がロマンチックですが、映画の重みを感じさせるのは明らかに後者。
「俺の知ったことか」の方がレットの精神的な辛さやレットの個性をくっきりと描いているといえるでしょう。