「試してみる?」
TV版シリーズのS.A.C.で、草薙素子が縁あってかくまった台湾難民の少年と一緒のベッドに寝た時、少年が発したマセた言葉にうっすらと笑顔を浮かべて言ったセリフがこれ。
もちろん少年は背筋まで凍りつき、そのままシーツを被って寝たのは言うまでもありませんね。
草薙素子、屈強な男たちを部下に従え、公安4課のリーダーとして活躍しますが、誰も素子に逆らえないことから、素子を密かにメスゴリラ、と呼ぶほどの肉食系と位置づけられています。
その一方で、TV版第1話の冒頭、世の中の不満から狙撃を行った男に対して、
「世の中に不満があるなら自分を変えろ!それが嫌なら耳と目を閉じ、口をつぐんで孤独に暮らせ!」
とハートに突き刺さるような名セリフの説教をします。
まさに色気もあり、知性もあり、意外と人情も持ちあわせている姉御肌ですね。
草薙素子の強烈な個性が際立っているからこそ、難解な舞台設定に対して苦労しながらも、なんとか読者はついていけたのでしょう。
『攻殻機動隊』がその後のSFアニメに与えた影響は大きく、電脳世界や義体化は多くの作品に登場してきます。
もっとも有名なのはウォシャウスキー姉弟が脚本・監督・製作総指揮を取った『マトリックス三部作』ですね(この時は兄弟でした)。
首の後ろのプラグから電脳世界まで『攻殻機動隊』からインスパイアされた、と本人たちが語っています。