「認めたくないものだな。若さゆえの過ちというものを」
これ、会社でミスった時の捨てセリフとして使っている人が多いそうです。
年配の上司だったら、かなりムカッとするはずですが。
『機動戦士ガンダム』で主人公地球連邦軍のアムロに立ちはだかる赤い彗星ことシャア・アズナブルの名セリフですね。
この『機動戦士ガンダム』、何がエポックだったか、というと、オリジナルのコミックを持たないアニメで、現在はバンダイナムコグループの傘下となっているサンライズが制作したことです。
もちろんアニメ制作会社によるオリジナル作品はそれまでにも存在していましたが、それらのほとんどは模型会社とのタイアップで、いわば低学年向けに作られた勧善懲悪ものでしたが、『機動戦士ガンダム』はアムロの成長と戦争のリアリティを追求したジュブナイル、つまりヤングアダルト向けの作品という、革新的な内容でした。
その内容ゆえ、最初に放映した時は前述したように視聴率の低迷に悩みましたが、その後、ヤングアダルト層の支持によって復活、タイアップで生まれた二次的商品も大ヒットとなり、アニメにおけるメディアミックス(商品拡充の経済的効果)の可能性を示した作品でもあったのです。
今では『エヴァンゲリヲン』や『進撃の巨人』のメディアミックスが盛んに行なわれていますが、その原点が『機動戦士ガンダム』だった、というわけですね。