「月にかわって、お仕置きよ!」が少女コミックにおける最大の決めセリフであるならば、男子コミックの最大の決めセリフはなんといってもこれ。
「お前はもう、死んでいる」
ご存じ、『北斗の拳』でケンシロウが秘孔を突いた相手に言う決めセリフですね。
集英社の週刊少年ジャンプに掲載されていたのは昭和58年(1983年)から昭和63年(1988年)まで、昭和最後の大ヒット作品といってもいいでしょう。
舞台設定を見ても第三次世界大戦後の199X年となっており、まだまだ冷戦と核戦争の火種が残っていた時代であることが分かります。
1999年のノストラダムス予言が懐かしいですね。
というわけで、世界は荒廃、秩序は乱れ、無法者が改造したバイクや車で地域を支配するという設定で、これ、よく見ると映画『マッドマックス2』の舞台設定とよく似ています。
さらに過剰に盛り上がった筋肉、これはフランク・フラゼッタの「英雄コナン」(名探偵ではありません)とか「ターザン・シリーズ」を思わせます。
ちょっと寄せ集め的設定でしたが、それをパクリではなくインスパイアに変えたのはオリジナルの北斗神拳と南斗聖拳の戦い、それにまつわる各専門的用語ですね。
最近、デザインのパクリがあっちこっちで話題になっていますが、パクリとリスペクトの違いはオリジナリティの肝をきちんと備えているか、その点だけでしょう。