『鉄腕アトム』の時代から現代まで続く『ドラえもん』の時代まで、それこそ数多のコミックとアニメが制作されてきましたが、その次代のエポックメイキングとなる作品はやはり数えるほどです。
ましてや社会現象になるほどの作品となるとほんの一握り。
そのひとつが『あしたのジョー』ですね。
漫画連載は昭和43年(1968年)から昭和48年(1973年)まで、アニメは昭和45年(1970年)から一時の中段を経て昭和56年(1981年)まで放映という、昭和真っ只中のコミックとアニメです。
コミックに登場するキャラクターのお葬式はこれまで福本伸行が描いた『天~天和通りの快男児』のサブキャラクターだった赤木しげる、『北斗の拳』のラオウが行なわれていますが、その原点は『あしたのジョー』で主人公、矢吹丈の永遠のライバルとなった力石徹です。
この葬式は出版社が仕掛けたものではなく、漫画ファンの著名人たちが自発的に行ったものであり、それは社会現象として捉えられ、新聞社を始めとするマスコミも大々的に取り上げました。
昭和の濃い作品ですが、それでも平成生まれの人が聞いた、あるいは見たことのあるセリフとシーンが思い浮かぶでしょう。
「燃えたよ…真っ白に…燃えつきた…真っ白な灰に…」
そしてグローブを外したまま、自分のコーナーで満足そうに目を瞑り、やや笑顔を浮かべている姿…。