直江兼続が使った「是非に及ばず」

「おんな城主 直虎」の舞台となった戦国時代、「是非に及ばず」は使い勝手が良いのでさまざまな文献に登場してきます。

信長最後の名言としてだけでなく、並んで有名なのが上杉景勝の家臣だった直江兼続が徳川家康の代理人となっていた西笑承兌(せいしょうじょうたい)に送った書簡、直江状です。

年代は本能寺の変から関ヶ原の戦い直前まで飛びます。

政権をほぼ掌握していた徳川家康は上杉景勝が上洛しないことを責め、家康の外交僧的役割を務めていた西笑承兌に上杉家へ書簡を送らせます。

その内容をカンタンに言うと「上杉家が上洛を断っているのは徳川政権に対する謀反を企てているという噂が流れている、したがって早急に上洛するように」という内容。

これに対して直江兼続は、これもカンタンに言うと「上杉家は内府様(徳川家康のこと)に対して、たとえ戦って勝つことはできても謀反を起こす気はなく、噂に関しては是非もないこと、しっかりと調べるようお願いします」という内容。

これが直江状ですね。

噂に関しては是非に及ばず、あまりに無理難題を押し付けるのであれば是非に及ばず、と随所に使われています。

直江状は徳川家康宛なので敬語が使われているもの、内容はかなり辛辣なので徳川家康が激怒した、と言われています。

どれほど内容が辛辣なのか、次の項で紹介しましょう。

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