結末に教訓を含んでいる物語を寓話と言いますが、イソップ物語のように子供でも分かる寓話から「23分間の奇跡」のようにディストピアを暗示する寓話、さらに寓話であることは分かっているけれど、それが何を暗喩しているのか解釈が異なってくる「ホテル・カリフォルニア」のような寓話まで、いろいろなカテゴリーがあります。
寓話の教訓を探る上で面白いのは、本来、その寓話が語っているであろう、寓意を否定したり別の角度から新しい教訓を得たりするところにあります。
寓話の教訓はイソップ物語のように、時として作者ではなく解釈を行った者の意思で別物に生まれ変わったり道徳観念を押し付けられたりする可能性があります。
それこそ「23分間の奇跡」が警鐘する寓意ですね。
また冒頭における「DHMO」の恐怖と同じでしょう。
もちろん子供に寓話を聞かせる時、大人と同じ視点にする必要はありませんが、大人から見て、子供に与える寓意として正しいのか、もう一度確認する必要があります。
アリはキリギリスに餌を分けなくていいのか?
ウサギはカメに対して「どうしてそんなにのろいのか?」と罵倒していいのか?
北風と太陽のように、自分たちの優位性を示すだけの賭けで、旅人を翻弄していいのか?
寓話から得られる大人の教訓、それは寓話の教訓が本当に正しいのか、疑う目を持つこと。
それこそ、社会でもっとも役立つ教訓となるはずです。