イソップ寓話は最終的に教訓譚とさせられてしまいましたが、それにしては残酷であり勧善懲悪という二元的西洋的文化に染まっているため、大人になってからは素直に頷けない部分が多く目につきます。
もちろん、個人の自由なのでイソップ的な寓話から企業に務めるための教訓を得る、なんてことを考えるのも勝手ですが、はっきり言って寓話からもっともらしい教訓を得られる人は社会人としてそれほど期待感が持てないと断言できます。
たとえば「カエルとウシ」の話。
ある日、子ガエルが川で水を飲んでいると、同じく水を飲みに来たウシの大きさにびっくりして、その大きいことを母カエルに話します。
母カエルは子カエルの話しを聞いて、一生懸命、お腹を膨らませてウシを再現しようとしますが、子カエルは納得できず、「もっとおっきい!もっとおっきい!」と言って母カエルのお腹をさらに膨らませようとします。
そして母カエルはとうとう、お腹を破裂させてしまいました。
さて、このイソップ物語を社会人の教訓にたとえるならば、自分を大きく見せようとすれば必ず墓穴を掘る、というような内容になりますが、それにしてはあまりに母カエルが可愛そうでしょう。
また子カエルはウシと母カエルを同一視しておらず、母カエルのお腹が大きくなるのを楽しんでいただけという可能性もあります。
社会人として教訓を得るならば、同僚や上司の口車に乗って無理な仕事をしようとすれば必ず自分の身に災いが訪れるので、同僚や上司の口車には誤りの前提がないか事前に確認する、という方が役に立ちます。