映画「大脱走」の脚本を書いたジェームズ・クラベルは1981年に短編小説を出版、その中のひとつが当時、不定期に放送されていたモービルショーケースというアメリカのTV番組で制作されました。
タイトルは「The Children’s Story」で、副題に「but not just for children」となっています。
ストーリーを説明しましょう。
いつもなら大雑把に要点だけを上げるのですが、ショートストーリーのため綿密なのでちょっと長めの説明となります。
貴方の隣にある学校のある教室、9時2分前から物語は始まります。
教壇では年老いた女教師が一人、震えながら時が来るのを待ちますが、その震えの原因を教室の子ども達は知りません。
やがて9時ジャスト、教室にブラックスーツ(まるで制服のような)の若くて美人の女教師が表れ、そして古く、いかにも教育熱心な女教師を教室から「やんわり」と退出させます。
教室の生徒全員は古い教師の味方であり、新しい、美しい女教師を敵対視しています。
しかし笑顔を絶やさない女教師。
彼女をもっとも厳しい目で睨みつけているジョニー君に女教師は問いかけます。
「前の先生は朝の授業の前に何をしていたのかしら?」
得意気に答えるジョニー君。
「こっきにちゅうせいをちかって、それからうたを歌うんだ!」
ジョニー君、精一杯突っ張っています。
少しでも女教師に対抗するかのように。
でも、それこそ女教師の思うツボであることをジョニー君は知りません…。