かつての学生時代の成績がどうであれ、成功者になる性質の者は、学ぶことが好きな者である。成功タイプの者は、学校を卒業してしまってから、学ぶことを始める者である。これに反して、凡人は、学校を卒業するまでは、よく勉強するかも知れないが、社会に出てから、もう、代数や幾何、物理などその他の知識の探究については無縁となるのである。
成功タイプの者は、学生時代は遊ぶことに熱中するあまり、その成績はたとえ劣等であっても、社会に出て、成功を追求するようになると、その希望達成のため、さまざまな計画をねることになる。
すると、その計画のためには、いろいろな専門的な知識が必要となるのである。ここで彼は、その新知識を得るため、どん欲にならざるを得ない。こうして、彼は常に学び、そして、学ぶことに興味を持つのである。
ここで凡人と成功者タイプは、正に「ウサギとカメ」のたとえ話のようになる。凡人は眠っている。成功者は絶えず歩きつづけている。十年もたてば、両者の差はもう縮めようもなくなるのだ。
成功タイプの者は、しかし、この勉学を普通の学生のように、苦業として行なっているのではない。彼は成功への願いに燃えている。そして、それを達成するための手段として、喜んでその知識を求めるのである。
新しい知識を得るためには、年令は一切関係ない。しかし、失敗タイプの人間は、常に勉学には社会で定めた規約、すなわち「青年時代までの義務」だけのように考え、それを疑ってみようともしないのである。