自分にとって、いやな人間、嫌いなタイプであるからという理由だけて、それらの人々から遠ざかるべきではない。前項の「ノー」という場合は、あくまで、自分を利用しようとする打算のみの図々しい人間に対してである。
成功人間になるための秘訣の一つは、大なり小なり、自分に対する協力者をふやして行くことである。
たしかに、この世の中には、無神経な人間がいて、こちらが欲しもしないこと、またはものをもって、好意の押し売りをどんどんとしてくる人々もいる。
しかし、それらに対しては、平然として受けていればよい。そして、それらに対して、何か見返りを要求したり、あるいは何となく恩着せがましい態度になってきた時に、やんわりとその好意を断ればよいのだ。
また、ご馳走などへの誘いがかかったなら、これまた口実をもうけて断わればよい。総じていえることだが、これらの好意押し売り屋は、こちらの身体をどこかへ引っぱり出そうと試みることが多い。
そんな時、容易にこちらの身を動かさなければ、別にこちらに危険が及ぶことはない。また、そんな時、相手はある種の利益をちらつかせ、それを好餌として誘い出そうとするものだ。こんな時、それにのって、一度や二度、むだ足を運んでも、時にはかまわないだろう。
ただ、あくまで、そこに大きな費用や、損失がともなわない限りにおいてであるが。要するに、人的関係においては、自分の好悪の感情は助長しないよう努め、出来るならば、嫌いな人間をなるべく少なくすることだ。