これはあまり信用する人が多くないのであるが、われわれ人間の細胞は、五感の知覚以外の情報を受信しているのである。たまに、それが五感の知覚圏内へ、音や色になって翻訳されてくることがある。これを人々は「カン」とか「ひらめき」などと呼ぶのである。更に、これが強力なはっきりとした体験となると、人はこれを「神の啓示」として捕えることもある。そして、宗教の教祖はこのような体験を得て、生れてきたものなのだ。
ところで、世の多くのスーパー成功者は、この「直観力」をとても大切にしているものである。そして、困難に直面した時、この直観の力によって、しばしば、危険を回避しているのだ。
この直観力は、どのような場合に出動してくれるのであろうか?それは、実に不思議で、かつ説明の困難なものであるが、要点をいえば、次の二つの要素が生じた場合である。
1.ストレス
2.リラックス
たとえば危険が身に迫って、どうしようもなく感情が混乱の嵐となった時、あたかも台風の眼のような一瞬の平静地帯に、自分の意識が入った時、この直観の助けが生ずるのである。あるいは、瞑想などで、深いリラックスの状態が続いている時、そこにかねてからの懸案である問題が、意識上に提起される。
突然、ポンとその回答が潜在意識から浮かび出てくる、という場合もある。この二つの例に共通するのは、問題によって生じたストレス、すなわち緊張と、それを迎え入れたリラックス、すなわち弛緩である。成功者の特質は、この緊張と弛緩をうまく組み合わせようと自己コントロールに努めるところにもある。