マホメットは次のようにいったという。「この世の中で最も素晴しいことの一つは、他人の顔に笑いの表情をもたらすことだ」。デール・カーネギーは次のようにいった。「相手を腹の底から笑わせることができれば、友人になる道が開ける。相手が一緒になって笑うのは、いくらかでもこちらが好きな証拠だ」ところで、ここで「人間の笑いには二種類の要素がある」ことも知らなければならない。
その第一は「相手に好意を示す笑いである」そして、その第二は「優越の笑い」である。実際のところ、相手を笑わすのは、この第二であることが多い。すなわち、自分のヘマなことを相手に話すと相手は笑う。そしてこの笑いは優越の笑いであり、しかもそれは相手の自己重要感を高めてあげる働きをするのだ。しかし、この「優越の笑い」にはやがて「好意の笑い」がダブってくるのである。