基本的な意味において、最高な接客的態度は、かつてある演歌歌手が言ったように「お客さまは、神さまです」であろう。しかし、考えてみるに、世の中じゅうの客が、自分に対して、すべて福の神であるわけはなく、時には貧乏神や、厄病神であることもあろう。
にもかかわらず「お客さまは神さまです」という態度が、最もよくツキを自分の方にもたらすというのは、殆んどの場合において、それは、人の心を喜ばし、その喜びの代償として、客は店側に繁盛をもたらしてくれるからである。
人は丁重にあつかわれ、謝意を示されて悪い気はしない動物である。なぜなら、それによって、その人の自尊心は高められるからだ。そして、この世の中において、自分を高く評価してくれる相手に対して抱く好感は、他のいかなる場合よりも強力なのである。
「他人に好感を常に与える人間」これこそツキを自分に最大限に引き寄せられる人間である。だから、自らの運を切り開こうと思ったら、この好感人間になるよう努めればよい。
好感人間になるためには、まず、自分の心の内から怖れを解消しておくこと。うまく行ったこと、無事にすんだことに対して、たえず喜び、感謝すること。そして、表情には常に柔らかい微笑をたたえ、リラックスした雰囲気を態度に現わすよう努めることである。