失敗を思わず、ただ成功のみを考えて、楽観的にしていさえすれば良い、これが成功哲学である、と考えてしまう人がいる。これはとんでもない誤解である。それは未来に対する甘えにしかすぎない。失敗について考えるな、ということではなく、「失敗について恐れるな」といっているのが成功哲学なのだ。
あらゆる最悪の事態を想定し、分析し、自己の守備範囲を明確にした上で、腹をすえてそれに取りかかれば、最早、心配する必要はなくなってしまうのである。古語に「遠き慮り無ければ、近き憂いあり」とあるように、未来に対する心こまやかな配慮は常に必要である。そのような配慮をした上で、成功についてのみ、イメージを思い浮かべよといっているのだ。