成功を念じつづけ、行動しつづけている内に、一つのチャンスがやってくることによって、一気に上昇気運にのる。これを古人は「天の機」と呼んだ。およそ、人生において勝利をもたらすには次の三つの要素が必要である、という。
一、天の機
二、地の利
三、人の和
つまり、チャンスを迎える時、よい場所にいなければならない。これはしかし、日頃から行動していれば、潜在意識の導きで、自然に運の良い場所にいつの間にか来ているものである。
次に対人関係では、より多くの人々を自分の協力者となるよう、自分の感情をうまくコントロールできなければならない。
怒り、不快感などをあらわに出して、人心をいたずらに遠去けてはならない。すなわち、自分に魅力をつけて、大勢の人々をひきつけ、ともに栄えて行くよう配慮することである。しかし、人の和といっても、それは常に人に対して服従的であれという意味ではない。
ここは誤解なきよう強調しておきたい点であるが、時には、自分にとって不利益をもたらす人物は断固として、それを去らしめなくてはならないのである。
それは成功のための「計画の組織化」また「合理的な運営化」においては、欠くべからざる対応策である。しかし、そのような場合でも、いたずらに人心の恨みをかうような言動はつつしむべきであろう。
要はその者を自分から遠ざければよいのだから、できるだけ穏やかにことを運ぶ方法が安全である。すなわち、これも「人の和」を保つための一法なのである。