「歯の浮くようなお世辞と解っていても、女性は自分への讃美に対し悪い気はしない」ということわざがある。これは何も女性に限ったことではなく、世間の大多数の人間がそうなのである。人々は自己重要感の低下を何より恐れている。

それぞれを高めてくれる言葉に接すると、たとえそれが嘘と解っていても嬉しいのである。自分を嬉しい気持ちにさせてくれる相手に会うのは、また嬉しいものである。だからこの人はお世辞をいった人に魅きつけられるのである。

私はここで何も、歯の浮くようなお世辞を奨励している訳ではない。しかし、相手の自己重要感を高めてあげるには、まず相手を尊重しょうとする態度が必要であることを強調したい。

「自分以外の人は、すべて皆わが師」とは、吉川英治の言葉である。他の人をわが師として敬意をもって接したらどうであろうか。その人の自己重要感は甚だしく高められるであろう。これは他人を幸福にする方法である。そしてこの人は、その幸福を与えてくれたあなたに対し、強い魅力を覚えることだろう。

すなわち、その幸福感を再び味わいたいために、あなたにまた会いたくなるのだ。その上に、あなたは信じないかもしれないが、これらの人々は、その与えられた幸福のお返しに、さまざまな幸運をあなたにもたらすのである。ある時は「おカネ」を。またある時は「コネ」や「情報」を・・。つまりこれが「ツキを呼び込む」ための最大の秘訣なのだ。

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