相手の言動にチラと現われる危険信号を察知するためには、船の舵手のように、ふだんはゆったりとした気分で、行く手の海面を見渡していれは良い。といっても、これは舵手がよそ見をしていたり、眠ってしまったりしてはいけないことは自明の理であろう。
そして、相手の言動にこのチラが現れたら、そこから生ずる危険を回避するための方策を直ちに講じなくてはならない。では、どのような方策を用いれば、それを回避できるのだろうか?考えられるのは次に示す三つの対応策である。
1.話題を他に変える
2.自分は黙り、相手に話させる
3.最悪の場合、直ちに引きさがる
話題を他に転ずるには、相手に同意を求めるような内容のものは避け、例えば天気の話、新聞記事の話題などに、さりげなくふれることである。そして、その話題に相手がのったら、相手になるべく話させる。
大切なことは、最前の危険信号の出た話題に戻らないように、ひそかにつとめることだ。相手の反応の調子がどうも思わしくなかったら、様子を見ながら、その日は引きさがることだ。その際、大切なことは、敬意を表しながらも、あっさりと別れを告げることである。