満月の夜における錯誤相関の続きです。
とある警察署の署員の1人は満月の夜になると必ず忙しくなる、と信じています。
かつて満月の夜に大変忙しい思いをしたことがあり、以後、満月の夜になると忙しさを実感できた時があったからでしょう。
この署員に錯誤相関を当てはめてみます。
①満月の夜に出動が多かった。
②満月でもたいして忙しくなかった。
③満月以外の日に大変忙しくて出動が多かった。
④満月の日以外でたいして忙しくなかった。
署員は予め満月の夜は忙しくなる、などと先輩署員から言われ、半信半疑でしたが①が起こりました。
ここで署員は①を過大評価します。③と④については日常的な普通の事象なので過小評価され、記憶から消えていきます。
では②はどうでしょう?
この日の署員の口癖は「満月の夜でもないのに」です。
つまり忙しかった、という事象は覚えていますが、それと月を結びつけることはしないので過小評価されているわけですね。
満月の夜でも忙しくない時があり、満月以外の夜でも出動回数が多い時があるという状況下で、満月の夜に出動回数が多いというのはごく普通の状況であって相関性はないのですが、過大評価していることから相関性があると信じ込んでいるのです。
つまり先入観の強い人ほど錯誤相関に陥りやすいということですね。