「満月の夜に何かが起きる」が迷信であるか否か、その前に「錯誤相関」について話をしましょう。
錯誤相関とは、相関しないデータに相関性があると思い込んでしまう現象のことです。
これは相関性があるという情報が予めインプットされると起きやすくなります。
たとえばアジアのとある都市へ旅行に出かけるとします。
その都市の評判は日本国内であまり評判が良くありません。
案の定、その都市の人たちは大声で話して煩く、買い物をしても無愛想な上にお釣りを投げてよこすし、レストランでは頼んだメニューと違う料理が出てきて、しかも謝らないという体験をしたことによって、以後、その都市の名前を聞いただけで悪印象が思い出され、やっぱり評判通りだった、と思うはず。
しかし、それらの体験がすべてではなく、買い物をしたレジできちんと対応した人やレストランで普通に接客したスタッフもいたはずなのですが、それらの人は印象が薄いため、悪い印象だけが際立ってしまうのです。
何もなく普通であったことより特別な事象の方が思い出しやすく、その事象が過大評価されて情報を決定づけてしまう、これが錯誤相関です。
明日は「満月の夜」に錯誤相関を当てはめて検証しましょう。