猫の迷信、猫又のエピソードまで発展するともはや都市伝説になってしまいますが、猫又を想像させる事象は実際にあったのではないかと想像されています。
たとえば猫又の別称、化け猫といえば行灯(あんどん)の油を舐めることで有名ですね。
江戸時代、行灯の油といえばイワシを始めとする安価な魚から取れる魚油。
当時は現在のようなキャットフードなんてもちろんありませんから、猫の餌といえば人間の残り物の炭水化物ばかり。
これでは猫も脂質やタンパク質が足りず栄養失調になってしまいます。
そこで猫が目をつけたのが行灯の魚油。
これを舐めることで脂質とタンパク質を補給していたわけですね。
しかし、暗闇の中から顔を出し、行灯の明かりの下で魚油を舐めている姿を突然見たら、かなりびっくりするでしょう。
行灯の下なので瞳孔は極端に細くなっていますし。
かくして猫は猫又伝説となり、死人を操る迷信まで生まれたわけです。
ちなみに魚油、猫だけでなく当時は慢性的な栄養不足だった奉公人の中にも舐める癖があったケースが記述されており、現代ではサプリメントとして各種販売されています。
猫が舐めたくらいで化け猫伝説まで発展させなくてもいいでしょうに。