以下、ケサパランパサランについて、これまで巷で抱かれてきたイメージを最大公約数的にまとめてみることにしよう。
ケサパランパサラン(以下、ケサラン)は、主に東北地方の伝説や伝承に出てくる、白くフワフワ(フサフサ)した毛状の物体である。生きているかどうかはともかく、それにおしろいを掛けておくと、いつしか大きくなったり、数が増えることもあるといわれる。
しかし想像上の代物ということでもなく、これを実際にもっている人も東北などには多いという。伝承では、それを手に入れると「幸運が舞い込む前兆」であるとされ、昔からそう信じている人たちは多い。今から20年以上前には、テレビでその姿が紹介され、ちょっとしたブームになったこともある。
以上が、東北を中心とする典型的なケサランの概観といえるが、現在ではそれ以外のものも分類されている。すなわち、丸い毛玉状の動物性ケサランのほか、綿毛状の植物性のもの、丸い鉱物状の鉱物性のもの、さらには虫状のものなども知られている。もっとも、鉱物性のものは、その正体が馬などの結石を加工したものとわかっている。
というしだいで、これはちょうど正体不明の飛行物体のことを全てひっくるめて「UFO」(未確認飛行物体)と巷でよんでいるように、「ケサランパサン」という言葉も、いわば「未確認毛状物体」(略して「UHO」)の意味で使われる余地もあるのではないだろうか。(その場合、これを「ウーホー」とよびたい。)