それが、20世紀までの人々の生き方であったが、この21世紀にはずいぶんと人間の潜在能力や創造力のことが解明されていくことだろう。
そうなれば、近い将来は小学校の授業にも「創造力の応用学習」とか「夢見の効果的実習」などといった科目が取り入れられるようになるかもしれない。
実際、「ドリーム・コントロール」の研究は今、各国で進められている。
もうだいぶ前のことだが、ある企業から、外国で作られた「明晰夢を見るための訓練装置」のマニュアルを手渡され、その翻訳を依頼されたこともある。
「明晰夢」とは、字の如く「明晰な内容の夢」ということだが、その夢の中に、日常の意識を持ち込んで、より積極的に問題解決に役立てようとするものである。
つまり、枠にとらわれず、発想が豊かになる明晰夢を利用して、自己実現や問題解決に結びつけるというわけだ。
訓練装置は、そうした夢の中で日常の意識がもてるように、あるいは、これが夢であると自覚できるように、訓練するためのものであった。
もちろん、装置によらずとも、そうした明晰夢を見ることは可能だ。
それには、やはり常日頃から問題意識を強くもつことが大切になってくる。
なにかの問題を抱えていたり、あるいはどうしても実現してほしいことがあったりする場合、まずは真剣にそのことについて、あれこれと思いを巡らしてみることだ。
それが昼間のうちに左脳で行なうこと。
そして、夜の時間は右脳が請け負うことになる。
あとは、ただひたすらに「こうなりたい」というイメージをもって、そのまま眠りの世界へ入るのだ。
うまくいくと、それが明晰夢となって、問題解決や願望実現のためのヒントを垣間見せてくれるかも。