そうそう、篆書体にフォントができたことの弊害について書き残していました。
現在、印章の主流はコンピューター彫刻機械によるものなので、フォントさえあれば印相体という篆書体に似て非なる書体も簡単に製造できてしまいます。
手掘り、と称しているところでも仕上げだけを手で行い、粗方をコンピューター彫刻機械で行っているところが多いとか。
本当の手掘りを購入するなら、インターネットで申し込みするのではなく必ず店頭まで出向いて手掘りの確認を行った方が確実ですね。
別に機械彫りで最終的に手彫りを行い、同じものが作れないような細工をしてくれればいいのに、なぜか手掘り仕上げを声高に叫ぶ開運印鑑業者が多いのもまた事実です。
それから印鑑の材質で朱印に馴染みがよく、縁欠けも少ないので最良とされているのが象牙ですが、意外とワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)を記載している印章店は開運印鑑に限らず多くありません。
適度に吸湿性があり、手に持った感触も良く、材質の加工性が優れていることから判子には最適の材質であることから日本は象牙の輸入大国でした。
開運グッズとは無関係ですが、今でも判子に使われている象牙の話を少しだけ、次回に。