前項では維持記憶の時間分類について説明しました。
いわば記憶のインプットですね、
今回は記憶の再現方法、アウトプットの分類について説明しましょう。
猫、という言葉はほとんどの人が知っていますね。
4ツ足で歩いて光の加減で瞳孔が変わり、黒や白、縞などさまざまな体毛の種類を持つ動物で、これに個人的な情報が加わって猫という記憶が形成されていきますが、この猫という言葉の意味を記憶していくことが意味記憶。
恋人に振られ、とても悲しかったという思いはいつまでも残りますが、こういった体験や実際の出来事をいつまでも覚えているのをエピソード記憶といいます。
それから毎日の無意識に行う手順、たとえば自宅から駅までの道のりや駅でキップを買う手順など行動が身体に染み付いている記憶を手続き記憶、さらにこれら3つの記憶を言葉で表現できる記憶を陳述記憶といいます。
これらの記憶はすべて長期記憶に保存されていますが、一般的にもっとも引き出し方法の難しい記憶が陳述記憶でしょう。
たとえば自分が毎日、歩いて通っている駅までの道順を人に説明する時、どのようにして道順を組み立てますか?
それを言葉にして発すると、説明の上手な人、下手な人に大きく分かれます。
つまり記憶はインプットよりもアウトプットの方が数段、難しいのです。