慈愛あふれる救世大士の観音菩薩

日本神話の大国主命に並ぶほど慈悲にあふれる仏教の尊格といえば観音菩薩(かんのんぼさつ)でしょう。

観音菩薩は梵名のアヴァローキテーシュヴァラを意訳した命名で、アヴァ(あまねく)+ローキテー(見る、見た)+シュヴァラ(自在者)という意味があります。

つまり知慧を持って世の中を観て、衆生すべてに畏れる気持ちをなくす心を施し、世を救済するという大変、温かい慈悲を持った救世大士なのです。

その存在は中国仏教よりも古く、インドでは仏教遺跡にその姿が残されています。

根源的には男性ですが、女性的な柔らかい表情をしており、中国では別名慈母観音と呼ばれることから女性としてのイメージが定着していることも特徴のひとつでしょう。

観音菩薩は衆生の性格や教えを聞く器に対して、自ら分かりやすいように形を変えることができ、その姿は三十三身にも及ぶと言われています。

十一面観音や千手観音なども変形のひとつで、西国三十三所観音霊場や三十三間堂の33はこの三十三身が由来となっています。

観音菩薩を見て「ホッとする」安心感に包まれながら厄祓いをしたい人は東京の護国寺や神奈川県の長谷寺、大坂の四天王寺などに出かけて厄祓いを申し出てください。

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