江戸時代の語呂合わせによるダブルミーニング、駄洒落の類は厄年だけでなく日常的な会話の中に取り入れられており、現代にも継承されているものがいくつもあります。
ここでは余談としてちょっと紹介しましょう。
たとえば物が壊れたり使えなくなったりした時、「オシャカになる」と言います。
このオシャカはご推察のようにお釈迦様のこと。
江戸時代の鍛冶屋が失敗作にこの言葉を用いました。
鋳物を作る時は当然、火を使いますが、この火が強いと鋳物は割れてしまいます。
「火が強かった」ために失敗するのですが、江戸っ子は「ひ」を「し」と発音するので
「火が強かった」は「しがつよかった」になり、「しがつようか」つまり4月8日はお釈迦様の誕生日であることから「お釈迦になった」が使われるようになったといいます。
「おだぶつになる」というのも失敗作や使い物にならなくなった時に用いられますが、これも「おしゃかになる」と同じ理由です。
ふぐ鍋は関東で「てっちり」と呼ばれますが、これも江戸時代の駄洒落で命名です。
ふぐは「当たれば死ぬ」ために鉄砲と呼ばれ、ちりは外国人に刺し身を出したところ、生物が食べられないために鍋にし、ちりちりとふぐを縮めて食べさせたことが語源です。
まだまだ面白い駄洒落とエピソードがあるので、次項でも紹介しましょう。