江戸時代に明記された厄年が現代まで継承されている

和漢三才図会に出てくる厄年は以下のように記述されています。

「厄~ 按素問陰陽二十五人篇云 件歳皆人之大忌 不可不自安也 考之初七歳以後皆加九年」

カンタンに言えば、陰陽では25歳がすべての人の大忌に当たり、誰もが注意しなさい、厄年は7歳に始まり、以後は9年を足していく、というような意味ですね。

この解説は明の三才図会が元になっており、上記の部分もそこから引用しているものです。中国では厄年を自分の干支から数えますが、明の時代の百科事典では陰陽発想から生まれていることが興味深いところです。

また、平安時代の古辞書「色葉字類抄」では厄年が13歳から始まることに対して和漢三才図会は本来、明になぞらえば7歳から始まるという点が異なっています。

ただし和漢三才図会の厄年に関する著述はさらに続き、今俗別男女厄、今の厄年は俗に男性が25、42,61歳、女性は19、33、37歳が大厄とされる、と書かれています。

つまり現在の厄年は和漢三才図会に著述されている江戸時代中期の頃の歳がそのまま継続されているわけですね。

厄年の年齢は平安時代や鎌倉時代に比べ、かなり省略されています。

もっとも、江戸時代は和漢三才図会による厄年解釈がすべてではなく、他の書物にも厄年が登場しており、さらに江戸文化らしい解釈が行われています。

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