厄払いなど、寺社で行うものは神主さんなどに祈祷してもらいます。
ですから、特にどの地域でも同じような厄払いです。
しかし、厄落としは一般的には民間で行うものです。
それは迷信のようにその地方のみで伝えられ、独特のものも数多くあります。
お金を落とすとか、手ぬぐいを落とすなど、厄の代わりに何かを落として厄落としにするものもあります。
お金を落とすことは厄を前もって故意に起こす、という意味もあります。
その人の収入によって、少しイタイ額を落とすのがいいのだとか。
また、年の数だけついた餅を神社に持って行ってお祓いを受け、近所の人に配るというものもあります。
お神酒やみかんなどを配る地方もあります。
近所の人に何かを配って厄を分担してもらう、ということなのだとか。
江戸時代には、厄年の女性はわざと櫛を落としました。
男性は何を落としたのかというと、ふんどしだったそうです。
大晦日、翌年に厄年を迎える男性はふんどしを道ばたに捨てたのだそうです。
確かにふんどしは大切なものですし、なければきっと寒いでしょう。
しかし、大晦日にふんどしが道に何枚も捨ててあるというのは、想像しただけで少し笑えてしまいます。
風情があるのかないのか、よくわかりませんよね。
そのように、厄落としの方法は、各地域にありました。
ただ、最近ではそれも薄れてきて、あまりやる人もいないようです。
もし地元にそのような厄落としの風習が残っていたら、ぜひやってみましょう。
その地域ならではの厄落とし、特別な力があるかもしれません。
ただし、今の人でふんどしを持っている人は少ないでしょう。
だからと言って、パンツを道に捨てていかないようにしてくださいね。