厄落としというものがあります。
厄払いや厄除けと同じように使いますが、それらとは少し異なります。
厄払いや厄除けは神社などで厄を払う祈祷をしてもらいますが、厄落としはあえて辛いことなどを行い、それで修行を積んだとして、厄を自ら払うものなのです。
初詣などでおみくじをひくでしょう。
そこで凶などの悪いものをひいたとき、近くの枝などに結び付けます。
その際に利き手ではない方だけで結べば、その凶は昇華されて悪いことは起こらないと言います。
このときの利き手ではない方だけで結ぶ、あえて辛いこと、難しいことを行うというのが、厄落としの一種です。
また、厄とは悪い出来事のことを指します。
その出来事が起きる前に、あえて悪いことを起こす。
そうすればそれより悪いことは起きないだろう、というのも厄落としの考え方です。
厄落としは神社などで行う厄払いとは違い、その地方に古くから伝わっている儀式が主です。
民間のものなので効果があるかはわかりませんが、それでも語り継がれているのですから、効き目があるはず。
地元に残っている風習や、祖父母などから聞いた厄落とし、試しにやってみてもいいでしょう。
厄年は古くは平安時代からあるものなので、厄落としには古人の知恵が詰まっているのです。