ドーパミンやアドレナリンといった神経伝達物質のことを紹介したので、その他の神経伝達物質についても少し触れておきましょう。
ドーパミンやアドレナリンと同じくアミノ基をひとつだけ持つモノアミン神経伝達物質のなかにセロトニンがあります。
この神経伝達物質、そのほとんどが小腸にある腸クロム親和性細胞というところで生成されており、わずか2%程度がセロトニン神経で生成されて生体リズムや睡眠、体温調整のために脳内を駆け巡っています。
セロトニンの効果でもっとも知られているのはドーパミンやアドレナリンの調整装置であること。
ドーパミンは達成感による快の感情を与え、アドレナリンはfight or flightの二者択一を要求するどちらも交感神経を活発にする伝達物質ですが、過剰に分泌されると活性化が進みすぎ、脳内をオーバーヒートさせてしまいます。
そこでセロトニンを分泌させてドーパミンやアドレナリンの分泌を沈静化、脳を平常な状態に、つまり中和させるのです。
またセロトニンは脳を覚醒させる役割を持っており、太陽の光を浴びることによって活性化し、陽が沈んだり眠くなったり、あるいは寝ると体内から一時的に消滅します。
夜の睡眠にはメラトニンという別の神経伝達物質が働くのですが、規則的な睡眠時間を保たないとセロトニンが消滅せず、メラトニンが活性化しにくくなるというバランス変調が起こります。
結果、不眠症やうつ病といった症状を引き起こすことにもなりかねませんので、生活はできるだけ規則正しくした方がセロトニンの分泌に役立ちます。
確かに睡眠不足になると、脳の平常って保ち辛くなりますよね。