アドレナリンという言葉、聞いたことありますよね?
興奮してアドレナリンがドバドバ出ている、なんて使い方をよく目にします。
もちろんドバドバと出ていることを見ることもできませんし、実際、汗のようにドバドバ出るものではありませんが、興奮している時に出ているというのは正解です。
アドレナリンは副腎髄質から分泌される神経伝達物質です。
副腎髄質は腎臓のやや上にある副腎内部に存在しています。副腎は英語でadrenal gland、その中(in)にある髄質から分泌されるので、adrenaline、アドレナリンと呼ばれます。
このアドレナリン、1900年という遠い昔、初めて日本人が牛の副腎から発見した経緯があります。
さて、このアドレナリンが分泌されるとどうなるでしょう?
ドキドキ?手がブルブルと震える?暑くもないのに汗が出る?息苦しくなる?いつもと違う景色が見える?
これらすべて、アドレナリンのせいです。
心筋収縮力が上がるので血圧は高くなり、皮膚や粘膜の血管は収縮、逆に骨格筋の血管は拡張して血流が上がり、瞳孔が開きます。こういう時は痛覚の麻痺も起こります。
まさに交感神経が活発化している状態ですね?
こんな時、どうします?
その場から逃げ出したい気分になりますよね?
もちろんそれ、本能に従っています。
アドレナリンはfight or flightホルモン、つまり闘争か逃走か、どちらかを究極に選ぶ状態にするためのホルモンと呼ばれているのです。