では、なぜ生命の危機にさらされなければリミッターは外されないのでしょう?
考えてみてください。
重い金庫を移動させようとする時、明らかに持てそうもない重さだとしたら、どうしますか?
頭を使えよ!と怒られそうですね。
人は道具を使うことによって進歩してきました。
1人で無理なら他の人(これも状況によっては立派な道具です)に手伝ってもらうし、毛布1枚あれば簡単な移動は可能です。
つまりリミッターを外さなくても金庫は道具を使うことによって移動できることを無意識下で理解しているのです。
では、迫り来る炎の中、火事の状況ではどうでしょう?
手伝ってくれる人はもちろんいませんし、金庫を運ぶための道具もありません。
さらに炎が自分の命を危機に陥れようと迫ってきているため、時間的な制約もあります。
頼れるのは自分の力しかありませんね。
こんな時にリミッターが外れるのです。
金庫を火事場から持ち出すというのは物欲的ですから、最終的には生命維持を優先して金庫を残すことになりますが、時として生命維持の危険性を凌駕するほどの物欲主義者がいます。
運良くリミッターが外れて持ち出せるか、焼け死ぬか、という究極の選択ですね。
生命危機という究極の状態に陥った時、リミッターを外せることができるのは強い目的意識を持っているかどうか、それが分岐点になりそうです。