1990年代に一部で流行したカルト的な書籍として「マーフィーの法則」があります。
いえいえ、こちらはジョセフ・マーフィー氏の「マーフィー 運命の法則」といった自己啓発書ではなく、もっと自虐的な内容で、一切関係がありません。
英文におけるタイトルは、
『Murphy’s Law and Other Reasons Why Things Go Wrong』で、
マーフィーの法則における間違った方法の他の理由、というような複雑なタイトルです。
一文を紹介するとこんな感じです。
Everything that can possibly go wrong will go wrong.
何事であれ、失敗する可能性のあるものは、いずれ失敗する。
If that guy has anyway of making a mistake, hi will.
何か失敗する方法があれば、あいつはそれをやっちまう。
というように、悲観的自虐論を「あるある」的に連ねている一種のジョーク集で、じつはこれ、発端はアメリカ空軍のエンジニアが実験のトラブルを調査していたところ、誰かが間違った実験装置のセッティングを発見し、その時に「失敗する方法があれば、誰かはその方法でやる」と語ったところから始まっています。
落としたトーストのバターを塗った面を下にして着地する確率はカーペットの価格に比例する、などと根拠のないユーモラスな法則もありますが、すべてお笑いというわけではなく、発端が空軍の実験施設という重要な場所だけに危機管理における現実問題としての提起でもあるのです。
ちなみに、セッティングミスを発見した人の名前がエドワード・アロイシャス・マーフィー・Jrであったことからマーフィーの法則と名前がつけられました。
失敗の法則は意外と潜在意識としての経験値にもつながりますので、興味のある方は御一読を。
閑話休題。