ジンクスも企業にとって何億、何十億という利益につながるかと思うと、とりあえずジンクス信奉者になるようですね。
たとえばホンダ。
実力本位の会社体質やレースを実験の場とする現実主義のメーカーですが、TVCMではほとんどの車種で有名芸能人の器用を避け、CMソングもJ-POPではなく洋楽やオリジナルを尊重しています。
安易に有名芸能人に頼らないという独自路線もありますが、ひとつには有名芸能人を器用すると車が売れない、というジンクスがあるとか。
トヨタには、ジンクスとして流布はされていませんが、明らかにゲン担ぎをしている事実があります。
それは車名。
トヨタの最初のヒット商品となったのはCROWN(クラウン)、続くヒット商品のなったのがCORONA(コロナ)、ここまでは偶然の一致で済ませられますが、爆発的ヒットとなったのがCOROLLA(カローラ)。
クラウンやコロナは名詞としても一般的ですが、カローラって何?って感じですよね。
つまり頭にCのつく車名が売れるという縁起からこの名前がつけられた、という見方がカローラから生まれました。
その後のトヨタはCのオンパレードです。CELICA(セリカ)、CARINA(カリーナ)、CORSA(コルサ)、CHASER(チェーサー)、さらにCRESTA(クレスタ)、CAMRY(カムリ)、ラグジュアリーカーの最高峰だったセルシオもCELSIORの綴りで、Cから始まらない車種って何?というほどのこだわりぶりです。
ところが1990年代以降、Cの頭文字がつく車に異変が起きます。
CARDINA(カルディナ)、CYNOS(サイノス)、CURREN(カレン)、COMFORT(コンフォート)と、その車ってどんな格好だっけ?というくらいイメージが薄く、もちろん販売成績にも結びついていません。
以後、トヨタの新車では頭文字にCがつく車種は発売されていません。
Cの恩恵を食い尽くしてしまったせいでしょうか、1990年以降はCのつく車種は売れないというジンクスがありそうです。
もっとも、車なんてどんな名前をつけようとパッケージングとマーケティングが良ければ売れちゃうもの、とトヨタは証明していますけれど。