西洋のジンクスは時として日本では縁起ものになることがあります。その代表例が黒猫。
ヨーロッパの多くの国では「黒猫が横切ると不吉なことが起きる、黒猫をまたぐと不幸なことが起きる」というジンクスがあります。
その一方、日本では「夜目が効く」という理由から日本では黒猫を「福猫」として魔除けや幸運、商売繁盛の象徴とされていました。
招き猫でも白いネコより黒い方が魔除け厄除けの意味合いが強いそうです。
新選組の沖田総司は労咳を患い、晩年、黒い猫を斬り殺そうとしますが、これは黒猫に労咳を治す力があるという迷信から黒猫を飼っていたのですが、結局、労咳が治らなかったことを恨みに思ってのことで、けっして不吉な存だから、という行動ではありません。
なぜヨーロッパでは黒猫が不吉なのかというと、魔女の使いであるという迷信から。
暗闇に紛れた黒猫は誰の目にも映らないことから魔女のパートナーに相応しいと考えられ、ヨーロッパの忌まわしき風習であった魔女狩りの際には黒猫が多く殺されました。
今でもヨーロッパにおける黒猫のジンクスは生きていて、黒猫が虐待されている事実がありますが、イギリスの一部の地域では逆に黒猫が幸運の象徴と扱われているところもあり、その地域では黒猫のパレードが行われ、黒猫のぬいぐるみを教会の塔から投げ、それをつかむと幸運が訪れるという風習があります。
人間の勝手な解釈で不吉や幸運の象徴にされる黒猫に取ってはいい迷惑なんですけれどね。