「秋ナスは嫁にくわせるな」というジンクス

13日の金曜日には不吉なことが起きる、というジンクスは西洋圏の経緯なので、もっと日本人向けジンクスの経緯を紹介しましょう。

たとえば「秋ナスは嫁にくわせるな」というジンクス。

これは姑の嫁いびりとして知られている風習ですが、最近では秋ナスには水分が多く、体を冷やしてしまって子作りができなくなるから、とか、秋ナスはおいしいけれど種が少なく、子種に恵まれないからといった意味から出たジンクスとも捉えられています。

もっとも、このジンクスは経緯がはっきりしていません。

近いところでは鎌倉時代の和歌集「夫木和歌抄」に登場する「秋なすび わささの粕につきまぜて よめにはくれじ 棚におくとも」を元にしているという説。

秋ナスをわささ(新酒)の粕につけておいしくなるまで棚に置いておくのはよいが、よめに食われないように注意しろ、という意味の和歌ですが、ここで言うよめ、とは夜目、つまりネズミの隠語なんですね。

この和歌を引用した学のあるお姑さんが、嫁いびりをさりげなくオブラートに包んで(今はオブラートってあんまり見かけませんが)よめを夜目と嫁のダブルミーニングにしたことが経緯である可能性があります。

嫁いびりなのか、それとも嫁の体調を慮ってのことなのか、いずれにしてもジンクスなんて、本人の取りようでどっちにも転ぶようなものですね。

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