13という数字が不吉なのは北欧神話から

ジンクスは絶対的な法則が存在しているわけではなく、単なる経験値や慣習、つまり迷信に過ぎないのですが、もちろんジンクスが発生する経緯が必ずあり、その経緯次第によっては迷信であると分かってもバンデミックのように拡散する可能性を持っています。

たとえば「13日の金曜日には不吉なことが起こる」というジンクス。

イエス・キリストが磔刑にされたのが13日の金曜日であることからキリスト教徒は忌むべき日、という俗説ですが、これは主に英語圏(ドイツやフランスも含まれる)だけの話で、キリスト教総本山のお膝元であるイタリアでは不吉な日は17日の金曜日、スペイン語圏では13日の火曜日となっており、13という不吉な数字と金曜日を不吉な曜日とする風習が合体して、13日の金曜日が不吉な日である、と定着しましたが、これ、19世紀に入ってからの話なんです。

13という数字と金曜日が不吉という経緯はキリスト磔刑以前よりヨーロッパ大陸には存在していたようで、その元となっているのが北欧神話。

12人の神が祝宴を開いていた最中、13人目の招かざる客、邪悪なロキが乱入して光の神であるバルドルを殺した、という神話から13が不吉な数となり、キリスト教に追いやられた愛と結婚の女神、フリッグは毎週金曜日になると11人の魔女と悪魔を招聘して悪事を企んでいたことから、金曜日は不吉な曜日となりました。

どっちにしろ、キリスト教に帰依していない日本人には無縁の話なんですが。

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