『ツキがなかっただけだ』
『ツキさえあれば勝てたのに』
勝負事で負けたとき、こう言う人がいます。
ツキがなかっただけ。
本当にそうでしょうか?
勝負の行方を左右するものの一つにツキがあることは否定しません。
しかし、それは例えば実力が全く同じ両者で勝敗を決めるときの話です。
または頭を全く使わない、運のみの勝負事とか。
それ以外の勝負で『ツキがあれば勝てた』ということはないのです。
負けたのには何らかの理由があります。
それをツキのせいにしてしまうと、きっと次も勝てないでしょう。
ツキのせいにするその気持ちが、勝負に勝てない負のスパイラルを生み出しているのです。
負けをツキのせいにせず、ちゃんと敗因を考えて、次に活かしましょう。
『勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし』
野村克也氏が監督時代に用いた言葉です。
これは松浦静山の剣術書から引用した言葉なのですが、『負けるのには必ず理由がある。勝ったとしても、負けに繋がる要素が含まれていた場合もあり、たまたま勝てたことを忘れてはいけない』という意味です。
ツキは敗因ではなく、勝因なのです。
敗因をツキのせいにしている限り、成長はできません。
逆に勝因をツキのお陰と慢心しない気持ちを持つ人との差は、開く一方です。
ツキは敗者を生み出しません。
勝者しか生まないのです。