前項ではゴルフの『運』『不運』が人生に似ていることを紹介しました。
もう少し前項の例、会心の1打でありながら突然に向かい風が吹いたことによって、グリーン手前の池に落ち、自分の『不運』を嘆く凡庸なプレイヤーの話を掘り下げましょう。
量子力学の不確定性から風が吹くことは誰にも予想できないのだから、会心の1打を打てる以上、凡庸とは言えないのではないか、と思われる人もいるでしょう。
確かに不確定性からは風の発生は確率論でしか確認できません。
しかし、状況に注意すれば突風が発生する確率を読むことができます。
前方の木々の葉がそれまで静かだったのにざわついた、鏡のような池にさざ波が立った、あるいは今日1日、これまでのプレイで突風が吹いたことがあった、などの状況に注意を払っていれば、突風が吹くかもしれない、と想定することは可能です。
しかし、凡庸なプレイヤーはグリーンに乗せることだけを考え、周囲の状況に注意しません。
優れたプレイヤーは状況からリスクを回避するショット、池の手前へ刻んだり、風の影響を受けにくい低いショットを打ちます。
凡庸と優秀なプレイヤーの違いは、凡庸は平均値から偏差の高いギャンブルを好み、優秀はスキルを重視してリスクを回避するのです。
ゴルフ、人生に似てるでしょ?