第67回山口県高校総体におけるバスケットボールの決勝戦、徳山商工と誠英の試合終盤はいろいろな点の教訓を残しています。
ゲーム面だけに関して言えば、誠英は残り1秒を切っても気を抜いていたわけではありませんが、全員がゴール下に集まってディフェンスを固め、マンツーマンを行わなかったために3ポイントシュートを許してしまいました。
また終盤まで63対63と同点であったことは実力が同等であり、結果を決めたのが『ツキ』だけで、勝負では徳山商工がウイナーとは言えません。
勝負に勝つためには、相手よりも平均値、つまり実力をつけ、突発的に起きる『ツキ』でも左右されないことが求められます。
とはいえ、『ツキ』で負けることはやり場のない悔しさも生みます。
スポーツの世界ではけっして珍しくなく、サッカーではシュートがゴールポストに当たった数cmの違いが明暗を分け、テニスではネットに当たったボールが自陣か敵陣のどちらに落ちるか、それでペースが変わることもあります。
相手に確実に勝つためには実力を上げるしかありませんが、相手だって平均値を高める練習をしているわけです。それが高いレベルになるほど平均値は接近、さらに『ツキ』の偏差も小さくなります。
それでもスキルがもっとも高いプロ選手が、縁起を担いだり神社へお参りに行ったりするのは、最後のわずかの偏差の『ツキ』が欲しいからでしょう。