前述した、バーで隣にセクシーな女性が来ても男性の恋愛スキルが高い場合は、その偏差は平均値からあまり離れていないことになります。
つまり『ツキ』であると同時に『チャンス』でもあるわけですね。
スキルが介入する事象はスキルが高いほど平均値そのものが上がるので、スキルの低い人における高い偏差の『ツキ』も、スキルが高い人にとっては偏差が少なくなるので、それは本人が『ツキ』と自覚せずに単なる『チャンス』に遭遇した、という結果になります。
スキルの介在する事象でもっとも分かりやすいのがスポーツです。
実力差がはっきりするほど『ツキ』で勝てる要素は最小値に留まり、実力差が極小になるほど、勝敗を決定する最後の要素に『ツキ』が加わります。
実力差は平均値ですね。
平均値の低いチームが平均値の高いチームを相手にすると、平均値の低いチームに取って『ツキ』の偏差は高くなり、ギャンブル的要素が大きくなるので『ツキ』による勝利は期待できません。
では、平均値の低いチームはどうすれば平均値の高いチームを相手にして『ツキ』を呼びこむことができるのか?
これは残念ながら、スキルを高めて平均値を相手チームに近づけるしか方法はないのです。
つまり練習もしないで『ツキ』頼みでは、スポーツにおいて勝利することは絶対にない、ということです。