平均値からの偏差が大きいほど、すごい『ツキ』とか『強運』になるわけですね。
宝くじを買い続けている人が高額賞金に当たった時は、買い続けているという平均値から突出した偏差となります。
しかし宝くじにはほとんどスキルが介在しません。
どの宝くじ売り場が当たるから、とか、夢に番号が出てきた、などというのは当選のためのスキルではないので、平均値への回帰率が高くなる、つまり連続して高額賞金に当たる可能性は極端に低くなります。
冒頭で紹介したように、宝くじの統計では約50%がそれまでの低収入源となっている仕事を継続していますが、この人達は宝くじにおける平均回帰をきちんと理解している部類の人達です。
スキルが介在しない事象、つまりギャンブル性が高い事象ほど偏差の高い『ツキ』はいつやってくるか分かりません。
そして『ツキ』がやってきても連続することはほとんどありません。
しかしギャンブル性の偏差が高い『ツキ』は同時に大きな快感と寄る辺のない自信を与えてしまいます。
もう一度、あの快感を味わいたい、一度当たったのだからもう一度当たるだろう、という希望的観測ですね。
この発想を持つ人は、完全に切り株へぶつかるうさぎを待つ農民になってしまっていることをお忘れなく。