バブル景気の時は一般消費者まで巻き込んだ絵画投資。
仕組みを見ると画商が儲かっているように思えますが、じつは画廊が儲けたオカネ、別のところに流れていきます。
政治家ですね。
仕組みはとても簡単。
たいした価値のない絵画を懇意の画廊からブローカーが10億円で購入します。
ブローカーはその絵画を政治家に贈答、政治家はブローカーが予め政治家へ指定した画廊へ売却、画廊は手数料を何%か受け取り、絵画を購入します。
めでたく政治家の懐には政治資金規正法をくぐり抜けた政治献金が入るというワケ。
これも一種のマネーロンダリングです。
もちろん、この時代のマネーロンダリングは絵画だけではなく、土地も株も、ゴルフ会員権も骨董品も、希少価値の高い中古名車までも対象に、つまり価値があると思えるものはすべて使われていた、といっても過言ではありません。
なにしろ政治家の金銭感覚は一般消費者と違います。
100万円なんてたったの1ピーナッツと数えていたくらいですから(ホントはピーナッツではなくピーシズ(pieces)、つまりピースの複数形ですね。これは1970年代まで使われていた政界の隠語で、賄賂を受領する際の領収書にピーナッツ20個、とか書かれていたわけです。もっと詳しく知りたい人はロッキード事件を調べてみてください)。