アメリカズ・カップに参加したニッポン・チャレンジの結果は無駄だったのでしょうか?
バブル景気の余ったオカネを浪費しただけでしょうか?
そんなことはありません。
アメリカズ・カップ参加以降、日本のヨット製造技術は格段に進歩しました。
アメリカズ・カップのクルーは経験が要求されるだけに新興国は外国人クルーで固められるのが当たり前の中、ニッポン・チャレンジは積極的に日本人クルーを採用、2007年の大会ではニュージーランドチームに日本人の鹿取正信氏が参加、日本人初のアメリカズ・カップ本戦出場を果たしています。
ニッポン・チャレンジが残した結果はしっかりと正の遺産となって受け継がれています。
そしてなにより。
景気が良くなって企業が儲かった場合は企業がメセナ活動を行い、社会に利益を還元するという理念があることを知らしめたことも、正の遺産といえます。
日本ではまったく知られていなかったアメリカズ・カップに参加するというのは、メセナ活動が与えてくれた夢のひとつでしょう。
次のバブル景気が訪れた時、企業はメセナ活動としてどんな夢を見させてくれるのか、それもバブル景気の楽しみのひとつだと思いませんか?
ちなみにニッポン・チャレンジのイメージソング、山下達郎さんが作詞作曲、歌っていました。
「BLOW」という曲です。
素敵な曲なので、一度、聞いてみてください。