高さ69cmしかない至高の銀杯を賭けて

アメリカズ・カップ紹介の続きです。

さて、海洋王国の大英帝国に招かれ、余興であるワイト島一周レースに参加した新興国アメリカのアメリカ号、結果はご想像の通り、並みいる海洋王国イギリスのヨットを打ち負かしてしまったわけですね。

このレースを観戦していたヴィクトリア女王はお付きに訪ねます。

「先頭の船は見えますか?」

「はい、アメリカ号です」

「では二番手は?」

「我らが女王陛下、二番はございません」

顔を真っ赤にして怒りを露わにしてもそこは海洋王国であり紳士の国イギリス、最後の言葉にプライドが滲み出ていますね。

この時、ヴィクトリア女王から賜ったのが、水を入れると底から漏れてしまう古代ローマの水差しを模した銀のカップ。

以来、この高さ約69cmのカップはアメリカ号のカップ、つまりアメリカズ・カップと呼ばれるようになりました。

アメリカズ・カップを得たのはアメリカ号を所有しているニューヨーク・ヨット・クラブ(NYYC)。

NYYCはその後、世界中へこのカップを賭けて挑戦を受けると発信、これがアメリカズ・カップの始まりです。

つまりアメリカズ・カップは国単位の競技ではなく、単なるヨットクラブ同士の競技なのです。

前項で国単位って書いていたじゃないか!と言うご意見はもっとも。

それ、次で説明しますね。

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