ホンダのF-1第二期参戦はF-1という経済効果をバブル景気に湧く日本へ教えてくれました。
それまでの日本で一般的に知られる世界的なレースといえばアメリカのインディ500とかフランスのル・マン24時間耐久レースぐらいなもので(じつはこれらのレースもF-1と同じようにシリーズ戦の1レースにしか過ぎません)、F-1が世界的に注目を集めているレースであり、参戦することが世界中のビジネスに直結するということを思い知らされました。
後にタイヤ供給メーカーとしてF-1に参戦した日本のブリジストンはその実績を認められ、今ではフェラーリやポルシェなど世界でも有数のスポーツカーメーカーの標準タイヤとなっています。
また音響メーカーのケンウッドはF-1の無線システムに採用され、レーシングドライバーが装着しているヘルメットのシェアは日本のアライが占めています。
その他、ブレーキやホイールなどでも日本の企業がF-1の世界に浸透しました。
ホンダは「レースは走る実験室」を標榜していますが、まさしくF-1には最高技術が求められるため、細部に至るまで最新技術の塊、つまり参入している日本企業はつねに自動車産業における最先端技術を生み出しているといえます。
これらもF-1というバブル景気に乗ってやってきた正の遺産といえるでしょう。