紅白歌合戦に見るアイドルの再来

歴史は繰り返されるのではなくスパイラルして進んでいく、と言います。

物理的法則として過去を再現することはできませんが、過去と同じこと、類似すること、過去を加工して再現することは可能です。

それがスパイラルですね。

たとえば2014年大晦日に放送された恒例のNHK紅白歌合戦。

なぜ赤組の大トリが松田聖子なのか?

なぜ企画コーナーで中森明菜とサザンオールスターズなのか?

とくに中森明菜って誰?的な感想を持つのが今の人たちでしょう?

でも、この2人と1組はバブル世代なら好き嫌いは別として誰もが認めるアイドルであり、ロックバンドなのです(むしろ、なぜ松任谷由実が登場しなかったのが不思議なくらいですが、これを言うといろいろ物議を醸し出しそうだし、じゃあ井上陽水はどうなんだ、山下達郎はなぜだ、と面倒なことになりかねないので)。

つまり紅白歌合戦という国民番組の中でもバブル世代の台頭が見られるわけで、自分たちのアイドルであり、最高のロックバンドを見たい!という欲求が実現した形でもあるのです。

スパイラルを作るのは過去の輝かしさを知っている人たち。

昭和の臭い、などとバカにしてはいけません。

その昭和の臭いを再現しようとしている人たちが大勢いて、その再現の土台はすでに完成しつつあるのです。

その土台の上に何を築くのか、見定められる人こそ、次に迎えるバブル景気を上手に操れる人と成り得るのですから。

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