「風水トリビア」カテゴリーアーカイブ

5要素は互いに作用する関連性を持つ

陰陽五行説は陰陽思想が根底にあるので、5要素に優劣順序はなく、互いに作用しあうという考え方を持っています。

もちろん相互作用は互いを活かすこともあれば、相手だけを滅ぼしたり、お互いが滅んだりする作用もあります。

これらを称して、相生、相克、比和、相乗、相悔と、やはり5つの関係性を表わしています。

●相生は相手を生み出していく陽の関係で、たとえば木は燃えることによって火を生み出し、火は燃え尽きた後に灰を残して土に戻します。

●相克は相手を滅ぼしていく陰の関係で、木は地中に根を張ることによって土地の養分を吸い上げて土地を痩せさせ、水は火を消し止め、火は金属を溶かします。 続きを読む 5要素は互いに作用する関連性を持つ

『え』は兄で『と』は弟!陰陽五行説

陰陽五行説は5つの要素にそれぞれ陰と陽を組み合わせて10通りの種類を作り、これを十干と呼びます。

種類の呼び名は甲(こう)、乙(おつ)、丙(へい)、丁(てい)、戊(ぼ)、己(き)、庚(こう)、辛(しん)、壬(じん)、癸(き)となりますが、これでは日本人に浸透しづらいことから、日本語読みが生まれました。

それが、きのえ、きのと、ひのえ、ひのと、つちのえ、つちのと、かのえ、かのと、みずのえ、みずのと、で語尾の「え」は兄を、「と」は弟を表します。

つまり「干支」は陰陽五行説に由来する言葉なのです。 続きを読む 『え』は兄で『と』は弟!陰陽五行説

陰陽師と山伏

前項では平安時代より国家機関として活躍していた陰陽師が武家政権に時代に移ってから衰退、やがて豊臣秀吉から追放されるところまでお話しました。

一気に庶民の間に流出した陰陽師は最初の頃こそ、その知識によって大きな信頼を得ていましたが、陰陽師の絶対数が少ないことから似非陰陽師が大量に発生、それらはいい加減な占術を行って高い占断料を取っていたことから、民間でも陰陽師は次第に胡散臭い存在になってしまいました。

この辺り、修験道とよく似ています。

修験道は奈良時代、役小角(えんのおずの)が開祖、山岳信仰を元に厳しい山の中に篭って修行を行い、悟りを開いて超自然的な力を身につけ、一般市民の救済を目指すという実践的な宗教です。 続きを読む 陰陽師と山伏

今の日本は玉石混交の状態

日本の風水は冒頭でも紹介したように1990年代後半に流行を迎えましたが、それからわずか20余年しか経ていません。

本場、中国では風水の完成からだけでも600年以上、その源流となる陰陽思想から数えれば4千年の歴史を持ち、基礎は同じでも異なる方法論からさまざまな流派が誕生、その占術は複雑化しており、一朝一夕で覚えられるものではありません。

だからこそ中国や台湾では本格的な風水師が権威を持っているわけですね。

かたや日本、風水を取り巻く状況は豊臣秀吉が陰陽師を放逐した時に似ているといえるでしょう。 続きを読む 今の日本は玉石混交の状態

風水の人気が廃れたのはなぜ?

玄関に水物を置くな、とか、ピンク色の財布を持つと人間関係が潤滑になってお金が入ってきやすい、とか、とにかく巷に流布している風水に関する情報は末端的なことが多すぎて、因果関係がまったく分かりません。

風水は一時期の爆発的な人気に比べるとやや落ち着いてきた感があります。

占事が好きな人種にとっては「当たる占い」こそ本当の占いであり、「当たらない占い」はやがて廃る運命にありますが、「当たる占い」がないために「当たらなかった占い」はスパイラル現象で敗者復活し、再び「当たるかもしれない占い」として脚光を浴びます。 続きを読む 風水の人気が廃れたのはなぜ?

風水はダイエットに似ている?

風水を信じて幸運になった人の話、よく聞きます。

一念発起して部屋を掃除、風水を取り入れたらiPadが貰えた、とか、宝くじを買ったら1万円が当たったとか、トイレの蓋をきちんと閉めるようにしたら貯金を使わず買い物が質素になった、とか。

さらに携帯ストラップに100均で購入したクマのマスコットを下げたら23年間彼氏がいなかったのに彼氏ができた、とか。

風水効果で幸運を招いたことは結構なことですが、あまりに他力本願ですね。 続きを読む 風水はダイエットに似ている?

風水はホントに幸運を呼ぶの?

少し以前、風水が社会現象のように流行った背景には一部の風水研究家が分かりやすく、しかも自分の運気を高めるためのカンタンな方法を紹介したことがありました。

玄関にはカエルの置物を置くとか、木目調のシューズボックスを置くとか、財布は金色がいいとか、女房は若い方がいいとか(これは風水と関係ありませんね)、とにかく因果関係よりも自分の欲に関することをアピールしたことが風水の流行につながったと言えます。 続きを読む 風水はホントに幸運を呼ぶの?

風水って宇宙エネルギーを利用しているの?

現在の風水、いろいろな流派が生まれてさまざまな占いの要素が取り入れられたため、かなり複雑になっており、風水研究家個人の考え方でどうにも解釈できる部分があります。

その解釈の中には大衆が喜ぶ「個人的な欲を満たす」占い方法も含まれているので、金色の財布を持てば、あるいは金運を呼ぶメイク(どんなメイクなのでしょう?)をすれば、偶然性から幸運が訪れる場合も風水のおかげと言うことができます。

風水を本当に活用するのであれば、まずは風水本来の成り立ち、つまり風水の基本を知る必要があります。 続きを読む 風水って宇宙エネルギーを利用しているの?

風水の起源は?

風水の歴史は古く、中国の殷(いん)・周(しゅう)の時代に始まったといわれています。

殷・周といえば紀元前1000年以前ですから、すでにその頃、人類は自然現象と人間の運命を結びつけようとしていたわけですね。

古代バビロニアで生まれた占星術も紀元前2000年頃が起源と言われています。

ただし、当時は風水と呼んでいたわけではなく「卜宅(ぼくたく)」と呼ばれていたそうです。 続きを読む 風水の起源は?

風水という言葉が最初に出た文献は?

最初は地相学だった卜宅、のちに風水と呼ばれるようになるのは普の時代。

つまり三国志の後のことですね。

すでに西洋ではグレゴリオ暦が完成しており、普の時代は紀元265~420年頃といわれています。

卜宅は現在から見れば確かに地相学としての因果関係を表わしていますが、当時はあくまで占術のひとつであり、卜(ぼく)は人が関わる事柄を占うという意味があります。 続きを読む 風水という言葉が最初に出た文献は?

風水の元になる陰陽思想は誰が最初に考えたの?

卜宅、つまり風水とは別に中国では春秋戦国時代頃から森羅万象の成り立ちを説く陰陽思想が生まれています。

紀元前770年頃から紀元前221年頃までの時代ですね。

日本でも古事記や日本書紀には世界の始まりが大地と海と空が混濁(大地はまだ柔らかく水に浮く脂のように、クラゲのように漂っていた)した状態と記されていたし、ギリシア神話でも混沌が初期世界であったように、陰陽思想もすべては混沌の中から陽の気が生まれて天になり、陰の気が沈んで大地になった、というところから始まります。 続きを読む 風水の元になる陰陽思想は誰が最初に考えたの?

易経は誰が著者なの?

古代中国の神話は日本やギリシア、あるいは北欧のように統一されていないので天地創造には諸説ありますが、おおまかに分類すると三皇五帝となり、そのうちの三皇に数えられているのが陰陽思想を説いた伏犠です。

なぜ伏犠と風水が関わるのか、それをこれから説明しましょう。

初期の卜、つまり占事は動物を対象としており、亀の甲羅だとか牛の肩甲骨だとか、そういったものに入ったヒビから物事を占っていましたが、その後、植物の蓍(めどぎ:メドハギまたはノコギリソウのこと)の茎を使った占筮(せんぜい)が主流となります。 続きを読む 易経は誰が著者なの?